2010年3月26日金曜日

ちょっといい話

引っ越しして、インターネットを業者につないでもらった。

床に穴を開けて外にコードを出さなくては行けなかった。そこで業者のおじさんが床と壁の間にドリルで穴を開けた。作業はほどなく終わり、ちらっと見た穴の周辺には削りかすが散乱していた。これまでの経験から、ああ、あれ掃除機かけておかないとなと考えていた。

と、おじさんがおもむろに小さいほうきとちりとりでさっさと集めた。それだけでも驚きなのに、その削りかすを車へ持ち帰ったのだ。

小さな事ながら感動した。

この話しを読んで「ああー、それはすごいねえ」と思えた人は日本を離れて久しいはず。

2010年3月24日水曜日

適材適所

自分に合った環境、自分がそのままで実力が発揮できる場所、それを見つけられるとその人の人生はかなり幸せなものになるんだろうと思う。
ある場面では好まれない特質も、正しい場所へ行けば宝になる。

こんな抽象的な事を思ったのは、黒柳徹子のほぼ日でのインタビューを読んだからだ。
こんな自由な発想が、この年になるまで損なわれず成長して来た見本のような黒柳徹子。
トットちゃんシリーズで読んだ子供時代から鑑みるに、この自由な感じは、本来のこの人の性格なのだろう。えせ不思議ちゃんとはまさに格が違う、不思議さんだ。

いつもは奇抜なファッションを見せてくれていた娘が、幼稚園で作ったウサギのかぶり物を被っていた。
ふと思いついて髪を切りに行くと言ったら、彼女はかぶり物をおもむろに取った。
「散髪屋さんのお姉さんに見せてあげたら?」と提案するも、「絶対嫌」と拒否された。

いつも髪を切ってくれるお姉さんは、おしゃれでなかなかの美人さんなのだ。
これは髪を切りに行くのでかぶり物を取ろうという配慮なのか、
きれいなお姉さんのまえでおかしな格好をしたくないという、自意識の現れなのかいまいち判断しかねる。
が、もし後者なら、幼児時代の無邪気な自由さが少しずつ損なわれているという事だ。
彼女の自由な感じがとても気に入っているので、もしそうなら少し残念だ。

親のエゴと分かっているのだけど。



2010年3月7日日曜日

品のない言葉

古本屋で買った雑誌をぱらぱらめくっていたところ、変な言葉が目についた。

「ヘビロテ」

何度か同じ雑誌の中でも目にし、でも調べるほどでもないので放っておいたら、数日後ヤフーインターネットニュースの中でも見かけた。
立て続けに見るとやはり気になるので調べてみた。
調べる前からちょっと嫌な予感はしていたが、やっぱり、嫌な言葉だった。

意味は「ヘビーローテーション」の略で、使い回しが聞く、使用頻度が高いということらしい。

意味が嫌ではなく、この造語の感じが嫌なのだ。
上手く伝えられない、感覚的な嫌悪感なのだけど、どうも品がない。
まず造語をわざわざ日本語英語でやって、それを省略するという手順が嫌なのかもしれない。

ところでこの言葉はどの程度市民権を得ているんだろう。
ファッション系の軽い雑誌ではよく目にするが、実際こういう雑誌を読む人々は日常的に使うんだろうか。

日本語との接触が極端に少ない生活の中で、久しぶりに後味の悪い言葉に出会ってしまった。

2010年3月3日水曜日

口笛紳士再び、そして、、、

以前、口笛紳士なる人を紹介した。
すっかり忘れていたが、数日前電車に乗ったときに再開してしまった。

プラットフォームで電車を待つ間、なんだか挙動不審なおやじが目の前を通った。結構暑い日で、日向にはちょっと立っていられないような暑さだった。なのにそのおやじは黒いジャケットと帽子をかぶっていた。そして大きくはないが、はっきりと聞こえるその口笛、、、。

はっとして顔を見る。あんたはもしや、、、。
口笛紳士だった。

もちろん紳士は私の事を覚えていた訳ではない。
おそらく自分の口笛に呼応してくれる人を感知するのに長けているのだろう。ばっちり目が合って、移動を止めた。丁度来た電車の同じ車両に乗り込んだ。

あまり人のいない平日の昼間。
3人がけの対面シートに腰掛けて、あの美しい口笛を披露していた。車内のこと故、音量こそ押さえてあるがその通る音色は卓越していた。

が、紳士の様子が何やらおかしい。
口笛をやめたかと思うと、口を大きく開けて笑いながら、しきりと親指を立てている。
そうまさに、「ぐう〜」という感じで(古いですか?もう)。
紳士の口の中の歯は黒く小さく、何となく昔シンナー吸っていたのかしらと思わせる様相だった。でもあの高尚な音色を造り上げる紳士の事だ。きっとなにか深い理由があるのだろう。

その紳士の「ぐう〜」の意味を計りかねた私は、「?」という感じで微笑みながら首を傾げてみた。すると紳士のその小さい黒い歯を伴うポッカり開いた口から、「Cute. Very Cute.」が連発された。

そして突き出ていた親指は人差し指へと変わり、私の娘達を指差しだした。ちょっとひるんだ私は話題を変えようと口を開けた時、今度はその人差し指が私に向いた。
「Chinese?」
いえいえと答えると、紳士は顔をしかめて「あ〜中国人はだめだかんね」と言った。
「Vietnamese?」
いえいえ。
「あ〜、ベトナムの女はだめだね、こわいからよ。で、どこよ?」
日本です。

ばしっとまた親指が立った。
「Good! Very good! Japan! 」

、、、。おかしい。紳士がおかしい。これではそこらにいるただのおやじではないか。というかそれ以下だ。
あの高貴な口笛の音色はどこへ?
あのミステリアスな様子はどこへ?
紳士、私が紳士と名付けたかった彼はどこへ?

電車は目的の駅に着いた。
私たちが降りるのをじっと見ながら、紳士もふらりと降りて来た。

、、、着いてくるのか?

一瞬身構えたが、紳士は口を大きく開けてあはあはしながらまた電車に乗ってしまった。
もうあの口笛は聞こえて来なかった。

訂正が必要だ。
この私の動揺した心を落ち着かせるには、大幅な訂正が必要だ。

口笛紳士、改め口笛エロおやじ。