2009年2月6日金曜日

プリシラ先生

踊り好きな長女。
起きて寝るまで歌い踊っているので、
踊りと歌への情熱のはけ口として、ダンス教室に行かせる事にした。
(うるさくてかなわんよ、実際)

初回無料のレッスンがあるバレイのクラスへ行ってみた。
行ってみてびっくり。
講師はいかついおにいさんではないか。
顔は四角い、体毛は真っ黒で濃い、ダンサーらしからぬ固そうな筋肉。
だけど、腐ってもバレイの講師。
物腰は柔らか、というかほとんどおかま。映画「プリシラ」の世界。
声のだし方からして、ソフトだ。

プリシラ先生、8人の小さい女子に囲まれて、早速レッスン開始。
まずはつま先立で、教室中を練り歩く。
意外と真剣で、時々さぼってつま先立ちしていない子には、
容赦なく、だけどあくまでソフトに注意が飛ぶ。
「しっかり、つま先で!!」

振り付けに意味を付けて覚えやすくする。
「フェアリーダストが降ってきて〜(手をぴらぴらさせながら頭上から胸の辺りまでおろす)」
「ベイビーフェアリーを空へ返して〜(床から何かをすくい上げるようにして、鳥を空へ飛ばすように上へその何かを放つ)」
何度か同じ動きをやるのだけれど、子供のことゆえ雑な動作になってくる。
そうすると早速プリシラ先生の注意が飛ぶ。
「フェアリーなのよ(なぜか女言葉がしっくり)!もっと優しく!」

最後に5分ほど音楽をかけて、各自好きなように踊る時間が来た。
それぞれ自分が思い描くバレイの動きをするのだ。
とはいえなんせ3、4歳の子供の事。両手を頭の上であわせてくるくる回るくらいで、あまり創造的ではない。
始めのうちこそ「すてきよー。美しいわー。」と褒めていたプリシラ先生だったが、
「バレイってのはそれだけじゃないんよ!」とばかりに突如子供達の中に入って踊りだした。
ただでさえ大柄なプリシラ先生なのに、ちびっ子達の間に入って容赦なく踊り狂う。
ジャンプあり、ターンあり、ポーズあり、、、。
女子達、笑顔のまま固まっていた。

レッスン後の先生もおかしかった。
「みんなー、今日は楽しかったー?」
「はーい。」
「来週も来るかなー?」
「はーい。」
「今日は楽しかったねー。」
「はーい。」
「来週も来るよねー?」
「、、、はーい?」
今回は無料レッスンで来週からはレッスン料が発生するため、彼も必死なのだ。
プリシラ先生必死の営業活動なのだ。

あまりにも何度も今日は楽しかった事と来週もくる事を強調していたため、
笑顔だった女子とその親達の顔が、次第に固くなり、苦笑に変わっていった。

帰り道長女はまた行きたいとは言わず、
レッスン中に貸してもらった魔法の杖(銀色でキラキラしていて、先に星がついていた)がもらえなかった事にがっかりして、欲しいなー欲しいなーとつぶやいていた。

今回のレッスンに行くまでは、バレイを習うのーと嬉しそうに言っていた彼女だが、あれ以来全く口にしなくなった。
才能の芽をプリシラ先生に摘まれてしまったのだろうか?
そうだとしたらプリシラ先生の罪は、重い。