手作り靴のコースが始まった。
週に一回、1回6時間で、3回の短期コース。
基本のコンセプトは、機械類を使わずに手縫いで革の靴を作る。
初回は、靴の歴史と型紙の取り方を教わった。
3回しかなくて、しかもちくちくと手作業で一足の靴を作るのに、随分のんびりだ。
講師は現役の手作り靴職人。いわゆるオーダーメイドの靴職人。彼は手縫いではもちろんなく、ミシンやその他いりいろな機会や道具を駆使して靴を作る。
彼のアトリエを見学したとき、なかなか楽しげに靴作りの苦労や楽しさを語ってくれた。が、どうも先行きの暗い話ばかりが出ていたのが気になった。
最近の靴作りの思想は、工業的で、安く早く簡単に。おかげで粗悪な靴が多く出回りすぎてる。
良い革を仕入れる先が年々歳々減ってきている。
靴型をつくる良い職人がいない。
まあ本当の職人になろうという人は多分このクラスの中にはいないのだろうけど、初回にそんな話をしなくてもよいだろうに。とはいえ、それがおそらくこの講師の性格なのだろうなと、彼の話を聞くにつけ思った。
まじめに靴作りをやるから、どうしても廃れ行く業界を嘆く言葉でる。もしかしたらこの講師が誰よりも、12人の受講生の誰よりも、本物の靴職人を育てたがっているように思えた。
それはそれとして、なにかの作られる舞台裏を見るのはやっぱり楽しい。
靴を見て、その内部に仕込まれている構造が想像できるようになるのは、なにか今まで知らなかった新しい扉を自分の中に持つようで、嬉しい。