車が壊れた。以前から調子は悪かったのだけど、数日前に完全に動かなくなった。
キイを回してもうんともすんとも言わない。幸い私の住んでいるところは、野菜や肉、魚の揃うマーケットや、スーパーマーケットなどが徒歩圏内に全てあるので、日常生活には影響はない。
ここ何日かとても冬とは思えないいい天気で、気温も22〜26度と暖かい。そこでいっちょ冬の間に縮んでしまった背骨を伸ばしに、近くの海まで出かけようと思ったのだが、ふと、車がない事を思い出した。
車なら15分くらいのところを、電車に乗って行くと30分以上かかる。第一その海へ行く電車は、20分に一本と、そんなに本数がない。少しめんどくさくなったが、それでもあまりの気候の良さに誘われ家を出た。
勢いで家を出て、電車に飛び乗ったまでは良かった。だけど、目指す場所には車でしか言った事がなく、どの駅で降りるのかも調べず出て来た事に気が付いた。当てずっぽうでそれらしい駅で降りてみて、うろうろしていたら、近所に住むらしいおばあさんが方向を教えてくれた。歩く事10分。目指す海の近くの街に出た。
そんな事をしているうちに、ふと日本での生活を思い出した。
日本にいる時、私は本当に良く歩いた。特に東京の中心部は、数駅なら平気で歩き回った。駅という点と点を歩く事で線でつないでいった。小さなポケットマップをいつも持ち歩き、歩けそうな距離なら、あるいはそうでなさそうであってもとにかく歩いた。今と比べて時間が無限にあるような時期だったから、そんな暇なまねも出来たのだけど、やっぱり楽しかった。どうという事のなく生えている木の花がきれいだったり、こんなところに学校があると発見したりするのは、興味深かった。
今日の海の街までの散歩は、その時感じた、よく知らない道を歩く「わくわく」を思い出させた。
こんなところに古い教会がある。
ずいぶん赤ちゃん連れのお母さんが多いなあ。
犬のフンもすごいぞ。
怪我の功名。車が壊れなければ思い出さなかったかもしれない、かつての生活の楽しみ方。
他にも色々忘れている事が、あるのだろうか。